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2012 年度 実施状況報告書

歳差回転球内流れの基本特性の解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 24540416
研究種目

基盤研究(C)

研究機関同志社大学

研究代表者

木田 重雄  同志社大学, 高等研究教育機構, 研究員 (70093234)

研究分担者 清水 雅樹  大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20550304)
後藤 晋  大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (40321616)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード歳差回転球 / 安定性 / リングジェット / 乱流リング / ダイナモ
研究概要

歳差回転球内の定常流の安定臨界を数値シミュレーションと理論解析によって調べ、対応する実験結果と比較した。この系の状態を特徴づけるパラメター(レイノルズ数 Re とポアンカレー数 Γ) の全領域にわたっての安定特性を、有限のパラメターに対しては数値的に、無限大または無限小の極限に対しては漸近解析で求める。最小臨界レイノルズ数は約 1030で臨界ポアンカレー数が約 0.182 であり、Reが無限大の極限での臨界枝は Γ ∝ Re**{-0.8} となるなど、臨界線の外観が明らかになった。臨界線を構成する不安定モードが当初の予想の倍以上多く存在していることがわかった。この安定臨界曲線の精確は、歳差回転球内流の特性を解明する上で最も基礎的な情報となるものであるため、臨界モードの振動数や空間対称性などの諸特性の定量的同定に力をいれている。また、超臨界条件において乱れがどのように発生するかを調査し、球面境界近傍に円形でリング状のジェットの生成すること、およびその不安定性によって乱れが発生することを観測した。このリングの円の法線は自転軸からも歳差軸からも少しずつ傾いている。このリングに沿って境界層内と球内部の大部分を占める非粘性領域内の流体が互いに移り合うことから、リングは乱流混合において重要な役割を演ずるものと予想される。つぎに、磁気流体の数値シミュレーションにより、磁場が乱流リングの周辺で強められするとを観測した。乱流リングはダイナモ作用にも重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

定常流の安定解析は、数値シミュレーション、理論解析、および実験と3つの方法で行なっている。このうち数値シミュレーションでは計算プログラムが早くから完成しており、安定性のパラメター依存性の計算を日々続けている。理論解析では、漸近理論の定式化が完成し、現在はその解を求める段階にある。実験では、すでに安定・不安定を区別する測定結果が得られているが、より精度のよい計測を準備中である。超臨界条件における層流-乱流遷移や歳差ダイナモに関する数値データは解析中で、一部はすでに学会等で発表している。

今後の研究の推進方策

研究の進め方は、当初の研究方針と基本的には変わりはない。本研究の根幹である、定常流の安定解析をできるだけ早く完了するように全力を尽くす。数値シミュレーションは毎日継続して行い、理論解析と実験ではこれまでに得られた結果をまとめて公表するとともに新しい試みを実行する。

次年度の研究費の使用計画

外国旅費(約40万円)、国内旅費(約10万円)、
備品(パソコン 約20万円)

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Motion of a small flat plate in a viscous flow2013

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Kida
    • 雑誌名

      Fluid Dynamics Research

      巻: 45 ページ: 025503 (11pp)

    • DOI

      10.1088/0169-5983/45/2/025503

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Instability by weak precession of the flow in a rotating sphere.2013

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Kida
    • 雑誌名

      Procedia IUTAM

      巻: 7 ページ: 183-192

    • 査読あり
  • [学会発表] 歳差回転球内流における乱流リングの生成維持メカニズム2013

    • 著者名/発表者名
      小池裕貴,清水雅樹,木田重雄
    • 学会等名
      多重物理・多重スケール乱流現象の数理 (数理研研究集会)
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 年月日
      20130109-20130111
  • [学会発表] A turbulent ring and MHD dynamo in a precessing sphere2012

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Kida
    • 学会等名
      Tangled Magnetic Fields in Astro- and Plasma Physics (Workshop)
    • 発表場所
      Edinburgh (UK)
    • 年月日
      20121215-20121219
  • [学会発表] Continuous spin-up and dynamo in a precessing sphere2012

    • 著者名/発表者名
      Y. Koike, M. Shimizu, S. Kida, G. Kawahara, S. Goto
    • 学会等名
      JSST 2012, International Conference on Simulation Technology
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20120927-20120928
  • [学会発表] Instability by weak precession of the flow in a rotating sphere2012

    • 著者名/発表者名
      Shigeo Kida
    • 学会等名
      Topological Fluid Dynamics (IUTAM Symposium)
    • 発表場所
      Issac Neqton Institute for Mathematical Sciences (UK)
    • 年月日
      20120723-20120727

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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