研究課題/領域番号 |
24540422
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
本多 和仁 静岡大学, 教育学部, 准教授 (70408706)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 半導体テーパーアンプ / 外部共振器型半導体レーザー / セシウム原子 / ルビジウム原子 / 偏光分光 |
研究実績の概要 |
本年度はセシウム原子のレーザー冷却を行うレーザー装置を安定に制御するための電気回路を作成し,実際にレーザー装置を安定に制御できることを確認し,これを用いてセシウム原子の偏光分光を試みた.また,レーザー冷却に必要な半導体テーパーアンプを組み立てた. 前年度,セシウム原子のレーザー光源を作成し,セシウム原子の飽和吸収分光を行っていた.また,その前にはルビジウム原子の磁気光学トラップを行っていた.しかし,レーザーの操作は簡単な機能しかない電気装置を組み合わせ,ほとんど手動で行っていた.もし,磁気光学トラップやさらに進んだレーザー冷却を行うには,複数のレーザー装置を同時に制御する必要があるため,これらを自動で行う電気回路が必要である. 本年度はこの電気回路を作成し,予定したとおりの動作をすることを確認した.さらに,これを用いて,セシウム原子に対して偏光分光という分光を行い,どのような信号がえられるか確認した.一般に偏光分光法はレーザー冷却では用いられないが,実際に磁気光学トラップでは使えないか,今後検討したい. 一方,磁気光学トラップを行うには,このレーザー光源では光強度が足りない.そこで,半導体テーパーアンプという,レーザー光強度を増幅する装置を組み立てた.もともと,もっとも重要な素子や制御回路は購入しており,これを設置し安定に動作させる筐体を用意すればよかった.しかし,その筐体の設計を推敲し,実際に作成した段階で本年度は終了した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
異動により環境が変わり,様々な実験装置を再度作成する必要があり,特に実験を行う除振台が予定よりも狭かったため,実験の予定を変更せざるをえなかった.
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今後の研究の推進方策 |
本年度はセシウム原子の磁気光学トラップを行いたい.また,懸案であった広い除振台を入手したため,ここに実験を移し,さらに多くのセシウム原子とルビジウム原子の同時磁気光学トラップを成功させたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
本助成を受ける当初において,研究者は所属を異動した.その結果,研究方針を変更した.本来,研究成果を海外の学術会議で発表するつもりであったが,これを行わなかった.このため,前年度に未使用額が発生した.
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次年度使用額の使用計画 |
本来出席するつもりであった海外の学術会議は本年度は開かれない.次年度使用額は消耗品に充てたい.
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