ラフトモデルでは、多成分の脂質二重膜における動的な不均一構造が重要な役割を果たしている。これまでに得られた具体的な研究成果は、(i) 溶媒の粘弾性効果、(ii) ベシクル上のドメインの成長則、(iii) 脂質二重膜におけるリーフレット拡散、(iv) 二成分溶液中のストークスの抵抗法則、(v) 脂質二重膜のバディング、(vi) 二成分脂質二重膜の緩和ダイナミクスなどである。特に生体膜のダイナミクスに対する溶媒の粘弾性効果を明らかにしたことによって、生体膜マイクロレオロジーという新しい計測手法を提唱するに至った。
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