研究課題/領域番号 |
24540450
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50370713)
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研究分担者 |
深畑 幸俊 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10313206)
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キーワード | 震源過程 / 逆解析 / Back-projection / マルチデータ解析 |
研究概要 |
地震の破壊伝播過程である震源過程を明らかにすることは、地震という現象を理解する上での鍵となる。近年、幅広い周波数領域をカバーする空間的にも密な地震観測網が整備されると共に、衛星測位技術の進歩により地震時の地殻変動が面的に得られるようにもなった。それら大量の良質なデータは震源過程の詳細な情報を含んでいる。しかし、分解能が高いデータほど、モデルの変化に敏感であるが故に、モデル誤差の取り扱いが重要になってくるが、それらはあまり議論されてこなかった。本研究では、モデル誤差を考慮した新世代のマルチデータ解析手法を開発し、2011年東北地方太平洋沖地震を初めとする実際の観測データに適用してその有効性を実証することを目的に研究を行っている。 本年度は、複数のデータを使用した解析では、各種データ間の重みをどのように決定するのかが問題となるが、その問題を解決した内容を国際誌にて発表した。また、異なる解析手法を用いた解がどのような関係にあるのかを理解するために、研究代表者が開発したHybrid Back-projection法を用いて、Back-projection法と逆解析の結果の関係を明らかにした論文を発表した。また、各種のデータには、異なる周波数帯域のフィルターが適用される場合がほとんどである。この点について理解を深める為に、データに適用するフィルターの意味について議論を行い論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、各種データ間の重みを決定する指針を国際誌にて発表することができた。また、異なる解析手法を用いた解がどのような関係にあるのかを理解するための理論的な背景を国際誌にて発表することができた。さらに、異なる周波数帯域のフィルターが適用される場合の意味についての論文を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
マルチデータ解析を用いて震源過程を明らかにするためには、各種のデータに適用されたフィルターの効果をどのように考慮するのかも問題となっている。当初考えていたよりも複雑な問題である。安定に解を求めるために、他の手法、例えば条件付き逆問題の適用を視野に入れながら研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在のコンピューターを使用することで、購入予定であったコンピューターの今年度の購入を見送った。 昨年度購入予定であった機材を購入する。
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