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2013 年度 実施状況報告書

GPS衛星の電波から断層すべりを直接求める手法の開発:地震前後のすべりの解明へ

研究課題

研究課題/領域番号 24540453
研究機関京都大学

研究代表者

宮崎 真一  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334285)

キーワード地殻変動 / 衛星測位 / 国際情報交換
研究概要

本年度は、University of Iceland, Institute of Earth Sciences, Nordic Volcanological Center の Thora Arnadottir 博士を訪問し、アイスランドにおける類似研究の現状について情報収集した。アイスランド大学では、火山活動にともなう地殻変動監視を目的としたGPS連続観測網が整備されている。現状ではリアルタイムでのテレメータはされていないものの、異常があれば準リアルタイムでのデータ解析と、それに伴う地殻変動源の推定を行なうシステムを確立しつつあるとのことだった。しかし、本研究のような、リアルタイムでの変動源推定は今後の課題であり、共同研究を視野に今後も情報交換することとなった。
本課題におけるシステム構築に関しては、GPSの位相データから変動源を推定するアルゴリズムとして、拡張カルマンフィルタの利用を検討し、アルゴリズムの適用可能性について検討を行った。粒子フィルタの適用も考えられるが、計算量が膨大になるため、現実的ではない。拡張カルマンフィルタを用いたシミュレーションを行なったところ、解の収束が良くなかった。拡張カルマンフィルタは、非線形の観測システムを、解として妥当な値(初期値)の周りで線形化するため、初期値が妥当でない場合は、解が適切に収束しないようである。以上の検討の結果、拡張カルマンフィルタの適用は適切ではなく、別のアルゴリズムの適用を検討する必要があると考えられる。
本研究の一環として、火山地域の地形を考慮した地殻変動解析ソフトの作成を行なった。摂動法を用いているが、摂動の0次の取り方で結果が少し変わるという問題点が残っているが、火山に加えて海溝型地震への適用を行なった。概ね結果は良好である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

拡張カルマンフィルタによるリアルタイムでの解析アルゴリズムによる解の収束性が悪く、本年度中に解析システムを構築する予定であったが、終了していない。拡張カルマンフィルタはGPSの基線解析にも使用されており、概ね収束性がよいと想定していた。しかし、測位の場合と異なり、変動源をあらかじめ適切に推定することが困難であるため、準リアルタイムでのこのアルゴリズムの適用が適切ではなかったと判断される。

今後の研究の推進方策

観測方程式は変わらないが、それを処理するアルゴリズムを変更する。計算量が多くなるが、非線形の観測システムを直接扱える粒子フィルタを用いたシステムを構築する。次に、進行状況によるが、粒子フィルタをできるだけ簡略化し、できるだけ解析速度を落とさないための工夫も行ないたい。

次年度の研究費の使用計画

解析アルゴリズムの開発が遅れているため、計画していた観測や解析、その打ち合わせの実施が出来なかった。
解析アルゴリズムの構築に伴って、観測データの取得を行なう。フィールドとしては日本に加えて、火山の多いアイスランドを計画している。そのための旅費、および、観測に必要な備品、消耗品に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Coseismic Slip Distribution for the 2011 Tohoku-Oki Earthquake With Topographic Corrections2014

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi GOSHIMA, Shin’ichi MIYAZAKI
    • 学会等名
      Symposium on Geodesy for Earthquake and Natural Hazards (GENAH 2014)
    • 発表場所
      Matsushima, Miyagi, Japan
    • 年月日
      20140722-20140726

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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