研究課題/領域番号 |
24540454
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
村上 英記 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (10166259)
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研究分担者 |
山口 覚 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70191228)
塩崎 一郎 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80221290)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 四国 / 比抵抗構造 / フィリピン海プレート / スラブ地震 / 低周波微動 |
研究実績の概要 |
四国下フィリピン海プレート周辺部の高精度比抵抗構造の決定を目的として,既存のNetwork-MTデータのノイズ軽減をはかり周期100秒から10000秒のMT応答関数の精度を向上させ(平成24年度及び平成25年度),精度の向上がある程度見られた地点の予備的な解析を行い(平成25年度),平成26年度はこれらの成果を踏まえて四国中部と四国西部域の2次元比抵抗構造解析を実施した。四国中央部では土佐山田,大杉,阿波池田について従来のMT応答関数よりも精度の点で改善は見られたが逆解析に使用するにはまだ不十分と判断し,2次元のフォワード計算による理論値と観測値の比較により比抵抗構造に制約を与えることを試みた。従来のモデル(塩崎,1993)で示された下部地殻の高比抵抗(10kΩm),そして100Ωmのプレートというモデルを完全に否定するものではないが,既存の四国東部比抵抗構造を模した構造[上部地殻100Ωm(厚さ20 km),下部地殻1000Ωm(20 km),下部マントル1Ωm,プレートの海洋地殻75Ωm(10 km),プレート5000Ωm(km)]によるMT応答関数でも観測値は説明できることがわかった。四国西部では既存の広帯域MT探査のMT応答関数(~1000秒)に,測線上に位置する城川のMT応答関数(周期100秒から10000秒)を統合して2次元比抵抗構造の逆解析を実行した。従来のモデル(例えば,鳥取大学(2009))の特徴であった上部地殻中に広く見られる低比抵抗領域の分布の詳細が明らかになり,下部地殻とプレートの比抵抗は数十Ωmから数百Ωmと値が低くコントラストも小さいことが再確認できた。四国西部域はプレート境界での低周波微動が活発で,海洋地殻内でスラブ地震が発生していることが知られており四国東部・中部域とは地震活動が異なるが,比抵抗構造においても異なることがより明らかになった。
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備考 |
村上研究室ホーム・ページ http://sc1.cc.kochi-u.ac.jp/~murakami/KAK_H24C/
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