研究課題
本研究の目的は、超常磁性(SP)ナノ粒子の交流磁化率周波数依存性に関する理論的考察、機器開発、基礎実験である.その結果、100Hz-10kHzの周波数帯での交流複素磁化率 (k', k")を測定することによって、超常磁性(SP)粒子のサイズ分布を推定できることがわかった.さらに、実数成分k'のみを利用することによって、10kHz帯までのスペクトルを計測する技術と解析アルゴリズムを開発した.この方法を一部の火山岩に適用した結果、10kHz帯に顕著な磁化率のピークが見いだされ、これが多磁区粒子の磁壁移動に起因する新しい磁気共鳴現象を示す可能性のあることがわかった.同様の方法を、典型的な気候変動研究試料の中国黄土試料に適用したところ、従来の方法を上回る高精度の環境変化を復元することができた.これらの結果をもとに、パルス磁場を利用した時間領域の磁気緩和測定法を発案するに至り、その試作器を製作した.現段階では十分な感度を得られていないが、比較的強磁化の火山岩試料を対象として、M-H曲線や磁化緩和過程を測定することに成功した.これら一連の結果と機器試作経験は、時間領域測定データの離散フーリエ変換による周波数スペクトル構築という新たな研究方法の発案に至った.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
Frontiers in Earth Science
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