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2012 年度 実施状況報告書

地震計アレイ観測による新燃岳の火山性微動時空間変動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24540457
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

松本 聡  九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40221593)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード地震計アレイ / 新燃岳 / 火山性微動
研究概要

1) 微動源特定の高精度化(年次計画の1,2に対応)
平成24年度当初、火口から約3kmの位置に地震計アレイを設置しており、従来の処理によって方向分解能等の限界が明らかになっている.これを解決するために、新湯温泉に設置している地震計アレイの口径を約1kmに広げて再配置を行った。さらに、現在までに確認されている2か所の微動源を特定しやすいように火口の北部(大幡池近傍)に13点の地震計アレイを新たに設置した。現在、新燃岳の活動が休止しているため、微動が観測されていないが発生すれば位置の特定を現在よりも高い精度で行うことができる。さらに、複数のアレイがあった場合の波形処理を行うためのソフトウェアを開発しつつある。
2) データ処理装置の導入(年次計画の3に対応)
収録したデータの処理を円滑に行うため、大容量(26TB)のLinuxコンピュータを導入した。これは2か所のアレイから得られた波形を処理し、解析を行う。現在までにMUSICスペクトラムによる微動到来方向の推定を行っているが、推定方向とその誤差を用いて微動源の位置を空間尤度分布に置き換えることで複数アレイによる位置特定を一括して評価できるシステムを開発した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的に挙げた5つの項目のうち、アレイの空間分解能向上のための新湯アレイ再配置、大幡アレイの新規設置は完了した。また、時間的変動をモニタリングするための方法開発はオフライン処理についてのソフトウェアの開発を部分的に完了している。しかしながら、現在は火山活動が休止しているために新たな微動データが得られず、分解能の向上を示す結果は得られていない。

今後の研究の推進方策

平成25年は現在2か所に展開されているアレイを維持するとともに火山活動の推移によって再配置を行う。また、突発的な火山活動があった場合、そこに本研究で開発しつつあるシステムを投入し、その性能を評価することも視野に入れる。一方、計画であげた目的のうちの
噴火直前の過程および,終息の過程に発生すると考えられる微動の時間的変動解明、微動の波のタイプ(P,S,表面波)および周期を詳しく調べることで発生メカニズム推定、時空間的変動からマグマだまりと火口を結ぶ火道を通じたマグマ輸送過程をモデル化については、既存のデータを再解析するとともに、他機関で取得されたデータと併合処理することによって、研究を推進する。また、モニタリングのための方法開発については引き続きシステム設計を吟味し、現在部分的にできているソフトウェアを拡充しオンライン化を目指す.

次年度の研究費の使用計画

平成25年は現在2か所に展開されているアレイを維持するとともに火山活動の推移によって再配置を行う。このための物品費(火山ガス等で地震計、ケーブル等が損傷するためにその交換)および旅費に主な経費として計上する。このほか、得られた成果の学会等での発表を行う。これにかかわる費用としても使用する予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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