南西諸島最北部の沖縄トラフの縁に位置する宇治島での地殻変動・地震観測により、沖縄トラフの北端部ではトラフを挟んで相対的に毎年約5mmの速度で拡大していること、北緯31.5度付近以南のトラフ域ではM1.5程度以上の地震活動は少なくとも2002年以降は低レベルであったことが明らかとなった。ただし、この低地震活動度は2015年11月14日に発生したこの領域では過去最大規模のM7.1の地震によって一変した。常設観測点を含めてこの地震の震央に最も近い本研究の宇治島の観測データを用いて解析することにより、沖縄トラフ北部域に発生する規模の大きな地震の活動特性が初めて明らかになった。
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