小惑星ならびに微惑星の表層は微小重力下の高空隙粉体層である.離散要素法等を用いた衝突数値シミュレーションを行うことで,そこで生じる天体衝突過程を明らかにし,小惑星ならびに微惑星進化に及ぼす天体衝突の影響を評価することが本研究の目的である.研究の結果,衝突天体が潜り込む貫入過程における抵抗則が明らかとなり,また衝突によって生じるイジェクタの総量は衝突天体の運動量に概ね比例することが明らかとなった.これらの結果から,天体衝突による成長と削剥のバランスによって決まる小惑星表層進化過程をより定量的に考察することが可能となった.
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