研究課題/領域番号 |
24540462
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松島 喜雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (30358022)
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研究分担者 |
高倉 伸一 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究グループ長 (50357349)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 火山 / 熱水系 / 自然電位 / 電磁探査 |
研究概要 |
火山活動が活発な火山を対象にテストフィールドを設け、野外観測、室内実験、数値シミュレーションの多角的な手法により、マグマからの脱ガスに伴う自然電位発生のメカニズムを検証することを目的に自然電位の補完調査と、AMT法による電磁探査を薩摩硫黄島硫黄岳で実施した。 AMT法による電磁探査は、硫黄岳の西山麓から山頂に至る約4㎞の測線上で、12地点の観測点で実施した。データの解析を行いおよそ1kmまでの深度の比抵抗構造を得た。 自然電位の補完調査は、硫黄岳およびその山麓域の164点にて測定を実施し、自然電位分布図を作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
火山活動が活発化した際にどのような自然電位の変動が現れるか予測を行うために、特に地殻浅部でのマグマから脱ガスによって、噴気活動が引き起こされている火山の自然電位異常の発生メカ二ズムを再検討することを目的にしている。 そのための作業仮説を検証するため、テストフィールドを設け、野外観測、室内実験、数値シミュレーションを実施する。 今年度は、基礎データとなる、自然電位およびAMT法による電磁探査からなる野外観測を、予定通り薩摩硫黄島火山で実施した。そのデータを解析し比抵抗構造を得ることができた。ただし採取した岩石サンプルのゼータ電位の測定については未消化となった。
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今後の研究の推進方策 |
比較研究となる雌阿寒岳火山での野外観測を実施する。薩摩硫黄島火山および雌阿寒岳火山で取得したデータを解析するとともに、熱水系の数値シミュレーションを実施し、新たに提案した自然電位発生メカニズムのモデルの検証作業を進める。 当初の計画にあった、採取サンプルの室内実験によるゼータ電位測定は、連携研究者の異動等から実施が困難な状況にあるが、その場合には過去に得られている一般的なデータを使用する。また、地表面温度分布測定については、航空機のチャーターが難しい状況にあるため、地上からの測定および、過去の測定データの利用を検討している。いずれも当該研究の遂行に大きな支障はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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