薩摩硫黄島火山、雌阿寒岳火山においてAMT法電磁探査と自然電位観測を行い、それぞれの火山の特徴を明らかにした。さらに薩摩硫黄島火山を対象として、熱水系の数値シミュレーションを実施し、火山ガスが集中している領域が高比抵抗を示し、凝縮した熱水が流下する領域は低比抵抗となることが確かめられた。この場合、観測されているような自然電位の正異常は、従来からのモデルが示す熱水の上昇域である必要がない。低比抵抗の領域がある程度発達すれば、熱水の下降流によっても自然電位の正異常が現れる。このモデルを、雌阿寒岳の観測結果と、伊豆大島火山の既存研究結果に当てはめ、確からしさの検討を行った。
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