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2012 年度 実施状況報告書

海洋深層における数ヶ月~数年周期の変動流の実態把握と原因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24540468
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

藤尾 伸三  東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (00242173)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード深層循環 / 係留流速計
研究概要

平成24年10月9日~11月19日のかけて、学術研究船白鳳丸によるKH-12-5次研究航海を実施し、東部北太平洋(西経145度)に設置していた係留系7系すべてを回収し、36個の流速計について1年強の時系列データを取得することができた。これまで西部北太平洋で得られている流速と比較すると、流速変動は明らかに弱いことがわかった。このことから、変動の大きさは西向きに増大していると予想され、ロスビー波的に西方伝搬していると思われる。
三陸沖で取得済みの5年強の流速時系列データについて、解析を進めた。この海域は南太平洋から北上してきた深層流がいったん東西の2分岐流に分かれたのち、再合流する海域であり、北緯40度では日本海溝のすぐ東に西側分岐流、その東に隣り合って東側分枝流が北上する。同時期に北緯40度に東西に配置された流速データと比較すると、38度付近での流速変動が40度付近での強流帯の位置と連動しており、変動が分枝流の流路変化につながっていることが確かめられた。一方、40度での流量は強流帯の位置にかかわらず、同程度の大きさであった。変動が渦的であることを示唆する。
層境界面が海底と交差可能な数値モデルの作成を行い、東京大学情報基盤センターのスーパーコンピュータFX10においてテストランを実施した。並列化を工夫することで、高解像度にした場合でも並列化数を上げさえすれば短時間で計算を終了することができるようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究航海の準備等のため、データ解析がやや遅れ気味であるが、一方、数値モデルは高い計算効率で実行可能であり、平成25年度よりシミュレーションが可能である。

今後の研究の推進方策

研究計画に従い、三陸沖の流速計データについて、解析を進める。特に、気候指標等との相関を調べる。また、実際の風データを与えて数値シミュレーションを実施し、流速計データとの比較を行う。これには新たに取得した東部北太平洋のデータも利用できる。
衛星高度計のデータを同化できるようにモデルを改良する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 深層循環 ―アルゴの下を測る―2013

    • 著者名/発表者名
      藤尾伸三・柳本大吾・安藤広二郎
    • 雑誌名

      月刊海洋

      巻: 45 ページ: 50-56

  • [雑誌論文] Pathway and variability of deep circulation around 40°N in the northwest Pacific Ocean2013

    • 著者名/発表者名
      Ando K., Kawabe M., Yanagimoto D., and Fujio S.
    • 雑誌名

      Journal of Oceanography

      巻: 69 ページ: 159-174

    • DOI

      10.1007/s10872-012-0164-2

    • 査読あり
  • [学会発表] 日本東方北緯40度を流れる深層循環流の鉛直構造と輸送量変動2013

    • 著者名/発表者名
      安藤広二郎・藤尾伸三・柳本大吾
    • 学会等名
      日本海洋学会
    • 発表場所
      東京都品川区
    • 年月日
      20130321-20130325
  • [学会発表] Pathway and variability of deep circulation current in the Northwest Pacific2013

    • 著者名/発表者名
      安藤広二郎・川辺正樹・柳本大吾・藤尾伸三
    • 学会等名
      北方圏国際シンポジウム
    • 発表場所
      北海道紋別市
    • 年月日
      20130218-20130220

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公開日: 2014-07-24  

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