研究課題
NASA・JAXAとの共同研究として,2013年5月7日にクワジランで2機のサウンディングロケットを19時40分に打ち上げた.それぞれのロケットに,リチウム原子放出機器とTMA放出機器を搭載した.2機共に成功し,赤道の高度90km~200kmにTMAとリチウムの雲を生成した.これらの雲の運動から,中性大気風を夕方に取得した.2013年7月4日には,米国NASAのワロップス実験場で14時30分にロケットを打ち上げた.ロケットからリチウム原子を放出した.飛行機を用いて上空からリチウム雲を捉え,高度90km~150kmの中性大気風を捕らえることに成功した.2013年7月20日には,JAXA内之浦からロケット2機を真夜中0時に打ち上げた.それぞれのロケットから,TMA放出とリチウム原子放出を行い,高度90km~200kmの中性大気風を取得した.この実験ではリチウム原子による月光の共鳴散乱光を利用するものであり,世界初の成果である.これら一連の実験で,昼間から夜間に至るすべての時間帯で中性大気風を取得する技術を世界に先駆けて開発できた.また,これらの実験データを詳細に解析し,高度90km~150kmに中性大気風のシアーが常に存在していることを発見した.研究グループで数度の国際会議を開催し,ロケットで同時に測定したプラズマ等のデータと比較検討した.国際会議で招待講演として発表するともに,研究成果報告書を作成した.一連のロケット実験は,国際誌の特集号として掲載されることが決まっている.
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
Journal of Geophysical Research: Space Physics
巻: 119 ページ: 9207–9215
10.1002/2014JA020302