本研究は、オーロラ爆発と呼ばれるサブストームの最終相に当たる回復相に着目し、その時間帯に現れる脈動オーロラと極域熱圏の風速変動との関係を調査した。回復相に磁気圏から極域熱圏に流入するエネルギーは風速変動を起こすほど大きくないと従来考えられてきた。しかしノルウェーのトロムソに設置した高感度光学測器を用いた我々の観測研究により既知の物理機構では説明できないほど大きな振幅を持つ風速変動を発見した。2009年1月以降のデータを用いた解析により、この風速変動は回復相の後半に現れる斑模様(パッチ状)のオーロラの明暗境界あるいは暗部に限定的に出現することが判明した。
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