研究課題
基盤研究(C)
三波川帯-北部秩父帯-黒瀬川帯-南部秩父帯が分布し,露出が良好な徳島県沢谷地域(徳島県那賀郡那賀町)において,野外踏査および試料採取を行った.南北20kmのルートで,堆積構造による上下判定をもとに地質断面の作成し,特に南北秩父帯の内部層序について検討を行った.上記の四地質体の南北断面による変成度をイライト結晶度よる評価となった.これと合早生手炭質物による変成度評価を試みたが,良好な炭質物が得られなかった.イライト結晶度は,それぞれ各帯独自の変成度が得られ,黒瀬川帯分布域のペルム紀付加体相当が周辺に比較して著しく高いこと,北部秩父帯が北(構造的下位)に向かって系統的に変成度が高くなり,最北部が三波川帯と同等の高い変成度を持つことなどが明らかになった.これまでの野外踏査およびイライト結晶度による泥質岩の変成度評価によって,各帯(特に南北秩父帯)の内部層序とその変成度の関係を明確にすることができた.
2: おおむね順調に進展している
研究対象地域の調査ルートにおける地質断面の概要を明らかにしたこと,特に北部・南部秩父帯における内部層序を明確にすることができたこと,イライト結晶度による変成度評価から,各帯の特徴的な変成度プロファイルを明らかにすることができ,おおむね研究計画通りに進めることができた.
黒瀬川帯分布域における結晶度評価の測定点を増やすとともに,ペルム紀付加体の分布境界を明らかにしていくことで,黒瀬川帯内部におけるペルム紀付加体の地質学的意義について理解していくことを試みる.
該当なし
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
Journal of Asian Earth Sciences
巻: 61 ページ: 51-61
10.1016/j.jseaes.2012.08.007
巻: 61 ページ: 33-50
10.1016/j.jseaes.2012.04.015
巻: 61 ページ: 2-15
10.1016/j.jseaes.2012.06.012