研究課題/領域番号 |
24540492
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
榊原 正幸 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (80202084)
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研究分担者 |
佐野 栄 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10226037)
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キーワード | 福島県 / 原子力発電所事故 / 放射性セシウム / 除染 / ファイトレメディエーション / カヤツリグサ科マツバイ / フィールド栽培実験 |
研究概要 |
福島県郡山市農業総合センターの放射性Cs汚染された水田土壌において,マツバイのファイトレメディエーションとしての有効性および実用的栽培方法確立のためのフィールド栽培実験を行った。実験期間は,平成24年度から継続して約18ヶ月間である。この実験では,放射性Cs汚染された水田を湛水し,細断したマツバイを散布し,自然に定着・成長させ,栽培実験を実施した。この水田土壌の放射性Cs濃度は,平均6580 Bq/kg(N=4)である。 この実験は,より効率的に除染するための栽培技術の確立を目的としている。実験サイトの規模は,約9 m×6 m(マツバイ総重量は約30 kg)である。春から秋にかけて,1~2ヶ月ごとにマツバイ試料を合計19試料採取し,その放射性Csの崩壊数を測定した。測定は九州環境管理協会に委託した。この実験の結果,採取したマツバイから,240~5100 Bq/kgの放射性Cs濃度が得られた。その平均は,平成24年度で1310 Bq/kg,平成25年度で782 Bq/kgである。以上の結果に基づくと,マツバイによる放射性Csのファイトレメディエーションは極めて簡便で有効な除染方法であることが改めて証明された。また,その実施方法の一つとして,マツバイの細断散布法が極めて簡便であり,広範囲の水田を除染する際に有効であることが実証された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の計画どおり大規模フィールド実験を実施しており,予想通りの成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究計画をさらに発展させ,マツバイマットを作成して,より現実的除染技術にする予定である。具体的には,福島県の水田においてそのマツバイマットの性能をチェックするための栽培実験を現地の方々と共同で行う。
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