研究課題/領域番号 |
24540493
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
廣井 孝弘 国立極地研究所, 研究教育系, 外来研究員 (80593970)
|
研究分担者 |
小島 秀康 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (10113896)
海田 博司 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10302811)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 隕石 / 分光 / 小惑星 |
研究概要 |
国立極地研究所に所蔵されている南極隕石のうち、当該年度においては、HEDと呼ばれる小惑星ベスタから来たと思われる隕石の可視・近赤外サーベイを終了し、次に、はやぶさ2が2018年に到達する予定のC型小惑星に似た物質と思われている炭素質コンドライトのサーベイを開始しした。 各隕石資料は、約10個ずつを極地研究所で選定し、借用申請をして、認可され次第借用して、写真を撮り、各隕石の表面の重要な部分について可視・近赤外反射スペクトルを水沢の天文台で測定した。また、炭素質隕石についていては、東北大にあるFT-IR装置で赤外の反射スペクトルも測定した。次回からはブラウン大学の機械も使う予定である。 また、3月にはヒューストンにおいて、HEDと炭素質隕石の分光データに基づいて、小惑星ベスタの宇宙風化についての講演をした。隕石サーベイのデータを実際に小惑星や月に適用するためには、大気のない天体上で起こっている宇宙風化の理解が必要であり、水沢においては宇宙風化実験も可能で、今回の炭素質コンドライト隕石は破壊可能という条件で借用しているので、その実験に使用する可能性も考慮すべきこともわかってきた。 また、2014年12月にはやぶさ2が打ち上げられることもあり、隕石と小惑星の関係を以下に突き止めるかという重要なテーマに関係するこの研究と、はやぶさ・はやぶさ2とのかかわりを知りたいという人々が多く、全国各地の子ども会、高校、ロータリークラブ、その他の有識者の集まりなどで講演会を行ってきた。また、はやぶさ2のための会議にも参加した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
隕石試料の測定は順調に進んでおり、学会発表や、探査のための会議などへの貢献も進んでいる。 一方で、月隕石論文出版が遅れているので、今年度の課題となる。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度の最後に開始した炭素質隕石のサーベイを継続し、FT-IRについてはブラウン大学での測定も考慮して効率化を図る。また宇宙風化実験の可能性も探る。 一般社会の貢献の面では、特に、はやぶさ2の打ち上げが近づいてくるので、炭素質隕石の研究が如何にそれに貢献しているかをアピールしていきたい。また、チーム会議にも積極的に参加していきたい。 前年度提出できなかった月隕石サーベイの成果論文を今年度提出する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|