研究課題/領域番号 |
24540493
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
廣井 孝弘 国立極地研究所, 研究教育系, 外来研究員 (80593970)
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研究分担者 |
小島 秀康 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (10113896)
海田 博司 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (10302811)
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キーワード | 隕石 / 分光 / 小惑星 / 惑星探査 |
研究概要 |
国立極地研究所に所蔵されている南極隕石のうち、当該年度においては、炭素質コンドライトの新鮮で利用可能なものそ選定し、写真撮影、配分申請、そして大部分のチップの近紫外・可視・赤外反射スペクトルの測定を終えた。炭素質コンドライトは、本年2014年12月に打ち上げ予定の「はやぶさ2」探査機の目標天体である小惑星1999JU3とも似た物質考えられており、その反射スペクトル測定結果は、JAXAのはやぶさ2ならびにNASAのOSIRIS-REx計画に大いに生かされると考えられる。 既に該当年度において、その結果を、はやぶさ2チームの科学会議において活用し、秋の極域科学シンポジウムと日本惑星科学会の講演会、そして3月にヒューストンで開かれたLunar and Planetary Science Conferenceにおいて発表し、特に異常な3ミクロン吸収帯の発見は大きな反響を生んだ。また、はやぶさ2に搭載される赤外分光計NIRS3の試験に貢献し、各地で一般講演会や高校での特別授業を行って、日本国民が隕石や小惑星探査に理解を深めてもらえるように貢献した。 今後は、残りの隕石試料の測定を終え、2000年以降に回収されたカタログに記載されていない隕石についてもこの研究を拡大する予定である。また、既に測定が終わっている、月隕石およびHED隕石の結果の論文化を進める予定である。はやぶさ2への貢献と一般への教育・啓蒙も継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
隕石試料の測定は順調に進んでおり、学会発表や、探査のための会議などへの貢献も進んでいる。 一方で、月隕石論文出版が遅れているので、今年度の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
炭素質隕石のサーベイを完了し、他の種類の隕石および新たに分類された隕石に着手するとともに、発見された異常な3ミクロン吸収帯の解析に取り掛かる。 前年度提出できなかった月隕石サーベイの成果論文を今年度提出し、HED隕石の結果解析を進める。 一般社会の貢献の面では、特に、はやぶさ2の打ち上げが12月に近づいてくるので、炭素質隕石の研究が如何にそれに貢献しているかをアピールしていきたい。また、チーム会議にも積極的に参加していきたい。
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