研究課題/領域番号 |
24540494
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小林 快次 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (70400033)
|
キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
平成25年度は,獣脚類恐竜の植物食性の進化(テリジノサウルス類)と繁殖行動(テリジノサウルス類),および集団行動(オルニトミモサウルス類)の研究を行い,成果を挙げた. 前年度に米国古脊椎動物学会と日本古生物学会で発表していた研究内容を,PlosOneに出版した.中国遼寧省から発見された恐竜を,新しいテリジノサウルス類恐竜としてジアンチャンゴサウルスと命名した.この研究によって,非鳥類型恐竜から鳥類へと進化するにしたがい、植物食性は段階を追って進化していったことを明らかにした. また,モンゴル南部のゴビ砂漠において,世界最大の獣脚類恐竜の営巣地を発見した.巣は込み合った状態で形成され,テリジノサウルス類は集団で行動し,営巣地を形成していたということを判明した.また,孵化率が非常に高いということから,テリジノサウルス類はワニ類のように巣の近くで天敵から卵を守り孵化率を上げていたと考えられる. どちらも,ニュース性が高く,NHKの全国ニュース等,多くマスコミに取り上げられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年から継続して行っている,「恐竜の食性復元」と「鳥類の起源」という2つの大きなテーマに沿った研究が順調に進んでおり,学会発表と論文執筆が行われている.平成26年度は,最終年度であり,研究成果を速やかに論文化することを目標としている.
|
今後の研究の推進方策 |
鳥類の起源を解明するのに,非常に重要な「恐竜類の鳥類化」という現象を解明することを最終的な目標としている.植物食性の進化の研究は,この意味で重要なカテゴリーの一つである.本研究では,これまでオルニトミモサウルス類とテリジノサウルス類の植物食性の獲得についてこれまで知られていなかった事実が判明した.本年度は,最終年度であるため,これまで得られた情報のまとめに入っていく.さらなる論文執筆と学会発表を行っていく.
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究の標本が海外にあるため,現地での標本研究が必要である.主に旅費に使用する予定であるが,年度明け早々に必要となるため. 主な渡航先は,中国,モンゴル,韓国,ドイツであり,随時研究先を訪問し,研究を速やかに遂行する.
|