本研究は、中生代付加体の砕屑岩粒子の年代測定と化学測定を検討し、アジア大陸東縁に形成された付加体の後背地を解明するものである。本研究では、中生代付加体のチャート砕屑岩シーケンスに貫入した砕屑岩岩脈から抽出したジルコン粒子のU-Pb年代測定を行い、また付加体前弧海盆堆積物の石英粒子のカソードルミネッセンス像から供給源の岩相を決定した。そのほか中生代付加体の付加テクトニクスを検討するため、緑色岩(一部砕屑性)の希土類元素を用いた化学組成を検討し、岩相ユニットを特徴づけるMORBやホットスポットタイプに卓越した緑色岩塊の存在を確認した。本研究の成果は、従来の付加体像を修正する結果となった。
|