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2012 年度 実施状況報告書

顕微メスバウアー分光器の製作と地球科学への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24540519
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

篠田 圭司  大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (40221296)

研究分担者 小林 康浩  京都大学, 原子炉実験所, 助教 (00303917)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードメスバウアー分光 / 顕微分光
研究概要

焦点距離102mmのマルチキャピラリーX線レンズ(MCX)を用いて顕微メスバウアー分光器を作成し、ビーム評価を行った。顕微メスバウアー分光器は、機械中心設定のためのレーザー光源部、トランスデューサーおよびガンマ線源部、XYZ微動および2軸傾斜機能付きMCX部、XYZ微動ピンホール部、検出器からなる。機械的中心合わせのために、ガンマ線源とMCXを光学系から除いた状態で、レーザー光源を用いて、トランスデューサー、MCX、ピンホールが一直線上に並ぶように各微動機構を用いて調整する。調整後ガンマ線源とMCXを光学系に装着し、ピンホールをガンマ線に対して垂直な平面内で2次元走査し、透過ガンマ線の強度分布からガンマ線集光位置とガンマ線焦点径を測定した。その結果ガンマ線のスポット径を約500μmと見積もった。ガンマ線集光部に置くピンホールは線源から放出される122keVのガンマ線による影響を避けるために必要となる。500μmピンホールを用いて、MCXを用いた場合と用いない場合とで測定したガンマ線強度スペクトルはほぼ一致した。これら二つの設定でともに鉄薄膜のメスバウアースペクトルを測定できた。一方二次元検出器を用いたスポット径測定では、スポット径は150μmと見積もった。ピンホール走査により見積もられるスポット径と二次元検出器により見積もられるスポット径が一致しない原因は今のところ不明である。有効なスポット径は確定していないが、ガンマ線の集光は確認できたので今後,平板試料上の微小部分析、鉱物中の包有物など試料表面にない微小部のメスバウアースペクトル測定に有効であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度(平成24年度)の研究計画は、顕微メスバウアー分光器の製作とビーム評価を終えることであったので、現在おおむね研究計画に沿って順調に進んでいる。現時点での問題点は、(1)スポット径を500-150μm間で確定できていないことと、(2)MCXを用いた場合のガンマ線強度とMCXを用いない場合のガンマ線強度がほぼ等しく、MCXを用いた場合の優位性がたいへん大きいとはいいがたい点である。

今後の研究の推進方策

現時点での問題点(1)は、ガンマ線集光位置で200μm程度の大きさの試料のメスバウアースペクトルを二次元走査して測定することで確定できると考えている。問題点(2)はMCX自体の性能と考え足れるので、MCXの今後の改良に期待するしかない。しかし集光は確認できたので、鉱物中の包有物など表面にない微小部のメスバウアースペクトル測定に有効であると考えられる。今後の研究方針として、ビーム径の確定や試料中の鉄分布面測定のための自動マッピングシステムの確立と包有物のメスバウアースペクトル測定の有効性の確認、を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

鉄分布面測定のため、自動XYステージとパソコンとメスバウアースペクトル測定系のパソコンとに連結したシステムを立ち上げるため、主として自動XYステージを購入する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 顕微メスバウアー分光器の製作と地球科学への応用

    • 著者名/発表者名
      篠田圭司、副島啓義、小林康浩
    • 学会等名
      日本鉱物科学会2012年会
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] 顕微メスバウアー分光器の製作と地球科学への応用

    • 著者名/発表者名
      篠田圭司、小林康浩、副島啓義
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会
    • 発表場所
      千葉幕張
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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