鉱物中の鉄イオンの価数比(2価3価比)は地球科学的に重要な意味を持つ。岩石薄片中の単一鉱物中の鉄の2価3価比を精度よく見積もるため、京都大学原子炉実験所共同利用を通じて、マルチキャピラリーX線レンズ(MCX)を用いた顕微メスバウアー分光器を製作した。製作した顕微メスバウアー分光器のガンマ線焦点を評価した結果、焦点の半値幅は400μmでピーク形状は等方的であることがわかった。顕微メスバウアー分光器で単結晶の鉱物試料を測定する基礎データとして、黒雲母と磁鉄鉱の定方位薄片のメスバウアースペクトルを測定し、ピーク強度比を粉末試料と比較した。
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