ヘリウム原子の輝線スペクトル強度比を測定し、衝突輻射モデルを利用してプラズマの電子密度・電子温度を推定する、いわゆる「線強度比法」の利用が近年特に浸透してきた。しかしながら、ダイバータ領域や放電プラズマなど、電離度の低いプラズマが輻射場として自分自身の占有密度に影響を与える自己再吸収過程(輻射捕獲)の評価に重要な 1重項2P準位の占有密度ないしその空間的な広がりは、従来の可視分光の範疇では測定できない。本研究では、1重項2P準位の新たな評価方法として、これまで着目されなかった1重項2S - 2P遷移(2058.130 nm)の測光可能性を検討し、測定に成功した。
|