研究課題
平成27年度に購入したX線検出器を用いて以下の実験を行い,岩石試料が破壊される際に発生するX線を検出することに成功した.・真空中で試料を金属棒にはさんで設置する.金属棒は大気側に延びており,大気側からハンマーなどで打撃することにより試料を破壊した.試料として氷砂糖,NaCl,H2O氷などを用いた.真空度を変えて測定し,真空度がX線発生量にどのように影響するかを調べた.残留大気の圧力が数十Pa以下であれば影響が無いが,それよりも大きい場合には圧力と共にX線発生量は減少することがわかった.・上記と同じシステムで,金属棒に対して油圧プレスにより力を加えて,より強度の大きい試料を破壊した.試料として岩石(花崗岩),ガラス,氷砂糖を用いた.ハンマーによる打撃・プレスによる圧縮,ともに同じ物質に対しては矛盾のない結果が得られた.また,岩石(花崗岩)の破壊では,Siの特性X線および連続スペクトルが認められた.・千葉工業大学の二段式軽ガス銃を用いて試料に高速度の弾丸を衝突させて破壊した.試料は花崗岩である.油圧プレスによる小試料(~1cm)に対して二段銃で用いた試料は~10cmであるが,ショット数は限られているが,ほぼサイズの2乗に比例したX線のカウント数が得られている.今後は解析を進め,原始太陽系円盤中での微惑星衝突破壊,月面への隕石衝突,初期地球での隕石重爆撃時などにおけるX線の発生量を見積もり,系外惑星や月面での衝突現象の情報がX線をとおして得ることができるかどうかを検討する.
すべて 2015
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Icarus
巻: 250 ページ: 215-221
10.1016/j.icarus.2014.11.030