研究課題
高速点火レーザー核融合では爆縮された高密度プラズマに対し、外部より超高強度レーザーを用いてこれを追加熱し、最終的に核融合点火に必要な高温状態(5keV)に至らしめる。この方式では外部超高強度レーザーから高密度爆縮プラズマへのエネルギー結合効率、即ち加熱効率が重要であり、加熱効率を上げることで、より少ない外部超高強度加熱レーザーエネルギーでを核融合点火状態を達成が可能になる。本研究は加熱効率向上を目指し、コーンターゲットとレーザーの相互作用、エネルギー輸送、高密度プラズマ加熱過程における物理を解明することを目的としている。加熱効率向上の具体的な方策として、本研究では外部加熱レーザー照射により発生する高速電子に加え、高速イオン発生も合わせて考慮し、高速電子及び高速イオンの両方を用いて同時に高密度プラズマを加熱する状況を想定した。超高強度レーザーを物質に照射すると高速電子が発生し、80%程度のエネルギーが高速電子のエネルギーとなり、そのうち約半分の40%が高密度コア方向に輸送される。高速イオン発生は照射レーザーエネルギーの高々数%程度にすぎないが、高速イオンは高速電子に比べて高密度プラズマ中の飛程が短いため、局所的な加熱に向いている。本研究で高速電子、高速イオンを両方考慮した統合的加熱モデルを1次元で構築し、計算を行った結果、高速電子で広い領域を加熱し、局所的に高速イオンで加熱出来ることを明らかにした。一次元モデルでは発生する高速電子、高速イオンの角度広がりを考慮し、輸送に関しては飛程をそれぞれ計算する形となっており、電子のOhmic加熱も考慮している。1x10^19W/cm^2程度の超高強度レーザー強度で100g/ccの爆縮コアプラズマを1keV程度加熱出来る事を計算で明らかにした。
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