研究課題
量子化学計算による電極反応へのアプローチとして、本年度は光半導体電極のアノードとして窒化タンタルを取り上げ、酸素生成反応に重要な電極触媒/水界面のホールの輸送について議論した。はじめに、n型の窒化タンタルの計算モデルとして、実験で合成されている量論比に近いモデルであるTa3N4.75O0.25を取り上げ、OやOHの表面への吸着を考慮することで、電極電位ごとに熱力学的に安定して存在する表面構造を提案した。それらの表面構造を用いて水との界面を構築し、Double reference methodを用いることで、電極電位を与えたときの窒化タンタルのバルク内の価電子帯位置や、窒化タンタル表面の価電子帯位置、窒化タンタル内部に生成するショットキー障壁の高さを計算することに成功した。これらの計算から、窒化タンタル/水界面では、低電位側でFermi level pinningとBand edge pinningの中間の挙動を示すこと、高電位側にシフトするにつれてn型半導体としての挙動を失っていることを明らかにした。最後に、窒化タンタル/水界面の電荷分離の高効率化に向けた考察も行った。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
RSC Advances
巻: 6 ページ: 36269 - 36272
10.1039/C5RA27939A
Chem. Mater.
巻: 28 ページ: 1625-1635
10.1021/acs.chemmater.5b03524
AIP Conf. Proc.
巻: 1702 ページ: 090045
10.1063/1.4938853
Chem. Lett.
巻: 44 ページ: 1753-1755
10.1246/cl.150843
Chemical Physics Letters
巻: 635 ページ: 345-349
10.1016/j.cplett.2015.06.081
Catalysis Science & Technology
巻: 5 ページ: 2769 - 2776
10.1039/C5CY00088B