水素分子にエネルギー30eVの真空紫外光子を照射し光解離させると、磁気量子数のもつれた励起2p原子ペアが生成する。この2p原子ペアからの2光子放出過程において、その放出角度相関と検出時間相関に顕著な圧力効果が見られ注目を集めていた。それらの圧力効果が“もつれ”の喪失で説明できるであろうという仮説のもと、両者の関係解明を目的に研究を開始した。 しかし、検出器と計数系の更新を進めた結果、この圧力効果が“もつれ”の喪失とは関係のない、宇宙線ミューオンの影響で説明できることが明らかになった。宇宙線ミューオンの影響を無視できる条件で再測定したところ、従来の圧力範囲では圧力効果が見られなかった。
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