凝縮相の励起反応を調べる理論的方法としていわゆるQM/MM法があるが、実際の応用では2つの問題が生じる事が知られている。一つは電子状態理論の精度と計算コストの兼ね合いの問題であり、もう一つは統計サンプリングの問題である。本研究ではこの問題に対処するため以下の方法を研究した: (1)溶液などのMM環境の応答を動的平均場近似で扱う方法、(2)励起状態から基底状態に復帰する電子緩和のダイナミクスを出来るだけ少ない計算量で追跡するための近似的方法、(3)溶液中の非断熱電子移動反応を反応系の構造と溶媒の静電場を集団座標に取って記述するQM/MM法の研究。
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