スピン物性に関する磁性パラメータ全て計算し、加えて電導性も算出した。さらに、これらを互いにカップリングさせることも行った。対象系は、閉殻、開殻芳香族環と系統的に広げて行き、分子内・分子間相互作用にも着目した。まず、酸素分子の吸着構造を解析するために、分子への吸着を取り扱った。どの効果が酸素分子存在下で電子物性を変化させているかを探究した。次に、有機ラジカルの一つであるフェナレニル分子を拡張して、フェナレニル二量体やゼトレンでの解析を進めた。これらは開殻一重項分子であり、三重項酸素を接触させた時、消失しているスピンが、酸素の揺動を受けて出現した。最後に、電気伝導度の物性の算出を行った。
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