シミュレーションにより、様々な相転移過程における、新規な準安定構造・中間状態の発見があった。例えば氷が水になる(融解)過程でも、その変化は単に氷の構造が崩壊して液体になるわけではなく、いくつかの微視的なステップが介在する。同じように、メタンハイドレートの分解、超高圧下での氷VIIの凍結と融解でも、実験では見えていなかった多様で興味深い中間過程があることをシミュレーションにより多角的に示した。理論面では、クラスレートハイドレートの安定性に関する理論を拡張するとともに、結晶構造則をより明快に理解できる、一般化相図を提案した。
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