研究課題/領域番号 |
24550046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
平下 恒久 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50345948)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | メソイオン |
研究概要 |
メソイオンとは共有結合のみでは満足に書き表すことができない複素五員環化合物である。1,3-ジアルキルテトラゾリウム-5-オレートのいくつかは室温で液体となり,イオン液体と同等の高い極性溶媒であることを申請者らは見いだしている。また申請者のこれまでの研究において,メソイオン液体は電解液としてイオン液体を超える電気的性質をもつことを明らかにしているが,未だリチウム金属に対する安定性やリチウムイオン導電率においては十分とは言いがたく,実用化にはこれら問題の解決が必須である。 本研究では上記オレートを基盤としたメソイオン液体をリチウム電池の電解液として利用すべく,リチウムイオン導電率1 mS/cmを目指して多様なオレート群の合成を行い,実用化に耐えうる性能の発現に必要となる構造上の条件を見出すことを目的としている。 そこでこの課題解決のため,テトラゾリウム窒素上の置換基にこれまで以上にバラエティーに富んだアルキル鎖を確実にかつ容易に導入する手法を開発する。しこうして新規なメソイオン液体を合成し,その電気化学的評価までを一貫して行い,メソイオン液体を単なる電解液候補ではなくイオン液体に匹敵するような新機軸の溶媒としても確立することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々の1,3-ジアルキルテトラゾリウム-5-オレートを調製し,この評価を行うためには,1位と3位に自在に置換基を導入する新しい合成方法の開発である。1位にエーテル系の官能基を有するテトラゾリウム-5-オレートの合成を検討したところ,従来の1,3-ジアルキルテトラゾリウム-5-オレートと同様の手法で合成できることがわかった。また1位に2重結合を有する置換基の導入を試みたところ,これも従来法で合成できることがわかった。3位への置換基はこれまでジアルキル硫酸を用いたメチル基またはエチル基の導入に限られていたが,今回ジアルキル硫酸に代わって,アルコールと酸によっても3位へアルキル基の導入が可能であることが判明し,検討の幅を大いに広げられた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画にしたがって,いくつかのタイプの1,3-ジアルキルテトラゾリウム-5-オレートを調製するとともに,それらの物性の測定を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
メソイオン液体の合成と分離精製に必要な試薬・溶媒,ガラス器具などに当てる。
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