緑色光合成細菌Chlorobaculum tepidum株(至適温度45℃)の構成脂質を分子レベルで解析した。光合成の教科書に記載されている既知のMGDGに加え、ラムノールが転移したRGDGが主たる糖脂質であることと、脂肪酸部の不飽和構造としてシクロプロパン環を持つことが明らかとなった。阻害剤を用いたシクロプロパン環形成の抑制にも成功した。シクロプロパン環形成を阻害した場合、細菌の酸耐性の低下が確認された。30℃、45℃、55℃を至適温度とする緑色細菌の糖脂質組成を網羅的に解析した結果、至適温度と脂肪酸の炭素鎖長に見事な相関が確認された。
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