本研究では、母骨格の炭素数24を有するゼスレン構造の効率的大量合成を目指して、炭素数12の市販品である1,8-ナフタル酸無水物や1,2-ジヒドロアセナフチレンを二量化する合成法の開発に取り組んだ。結果、易溶性の新規ナフタル酸無水物誘導体およびジヒドロアセナフセン誘導体の合成を多数達成した。また、アセナフチンが有機合成において活用可能であることを見出し、アセナフチン経由による炭素数12の構造単位の二量化反応の端緒を拓く合成手法を見出した。一方で、アセナフチンの二量化が低収率に終わるという問題点及び、さらなる効率的なアセナフチンの発生法の開発に向けた課題を見出すに至った。
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