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2014 年度 実績報告書

原子力緊急事態対応のための放射性ストロンチウム定量法の迅速化

研究課題

研究課題/領域番号 24550073
研究機関金沢大学

研究代表者

上杉 正樹  金沢大学, 理工研究域, 研究協力員 (00622094)

研究分担者 中西 孝  金沢大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (00019499)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード放射性ストロンチウム / 迅速分析法 / 福島第一原発事故 / リン酸塩沈殿法 / Sr-Rad disk / 液体シンチレーション / Sr-90 / Sr-89
研究実績の概要

原子力緊急事態において放射性物質のモニタリングは不可欠なものである。放射性ストロンチウム (Sr-89,90) は先の福島第一原子力発電所事故において、汚染水に含まれたものが発電所港湾に漏洩し、海洋へ放出が続いている。Sr-90の定量はβ線測定によらねばならず、妨害となるβ線放出核種を除くため精製分離が不可欠である。このため調査結果の公表が1-2か月遅れとなっている。分析手法の迅速化には課題が多く、対応が未だなされていない。
本研究では、迅速分析法の開発を目的とし、平成24年度には海水を対象に化学分離法と測定法を確立するため、リン酸塩沈殿法におけるクエン酸の効果及び固相抽出法の適用について検討した。平成25年度には液体シンチレーション測定による定量法を確立するため、Sr-85,90及びY-88,90トレーサを用いて適用条件について検討した。平成26年度は確立された化学分離法と測定法について、緊急時に対応できる迅速定量法としてSr-89の定量にも対応出来るようにSr-89及びY-90の定量法も検討した。また、海水以外の試料への拡張性の検討及び福島県内で採取した海水について実証試験を実施した。
これまでの検討の結果、海水に適用できないとされてきた固相抽出ディスクの適用が可能となり、1週間かかっていた化学分離の時間を3.5時間に短縮することができた。また、液体シンチレーション測定において抽出シンチレーターの使用によりSr-89+Sr-90の直接測定を可能とし、定量性を改善した。これにより、測定を含めた分析時間を1ヶ月から1日程度に短縮できた。ただし、化学回収率、天然の妨害核種、他の試料への拡張性については課題が残った。なお、これらの検討結果は、放射化学討論会及び環境放射能研究会において発表し、要旨集及びProceedingsとして公表した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 海水中Sr-90分析における濃縮法と測定法の検討2014

    • 著者名/発表者名
      渡辺良祐、上杉正樹、横山明彦、中西孝
    • 雑誌名

      KEK Proceedings

      巻: 2014-7 ページ: 300-305

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 原子力緊急事態対応のための放射性ストロンチウム定量法の迅速化2015

    • 著者名/発表者名
      上杉正樹、渡辺良祐、酒井浩章、横山明彦
    • 学会等名
      第16回環境放射能研究会
    • 発表場所
      高エネルギー研究所筑波
    • 年月日
      2015-03-09 – 2015-03-11
  • [学会発表] 液体シンチレーション測定を用いた海水中の放射性Sr迅速分析の検討2014

    • 著者名/発表者名
      渡辺良祐、上杉正樹、酒井浩章、横山明彦
    • 学会等名
      第58回放射化学討論会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2014-09-11 – 2014-09-13

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公開日: 2016-06-01  

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