本研究では酵素とその活性中心近傍へ特異的に結合する小分子リガンドの作用機序に着目して、光増感剤(photosensitizer)を基体とした酵素(カルボニックアンヒドラーゼおよびキモトリプシン)-リガンド複合体の構築と、その多段階的な光誘起電子・エネルギー移動反応システムの開発とその詳細な機構解明を行った。また、Ru(bpy)3錯体やその類縁体の発光性金属錯体の開発を目的に、種々のビピリジン、ターピリジン配位子を組み合わせた発光性ルテニウム(II)およびイリジウム(III)錯体を合成し、光物理的物性を実験的に評価し、また光励起状態についてDFT計算より理論的にも検証を行った。
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