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2013 年度 実施状況報告書

架橋スズ配位子を有する二核ルテニウム錯体の合成と反応性

研究課題

研究課題/領域番号 24550083
研究機関大阪府立大学

研究代表者

竹本 真  大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (20347511)

キーワードスズ配位子 / スタンニレン / スタンニリン / ルテニウム錯体 / 多核錯体 / RuSn合金 / 高周期元素化合物 / 低配位化合物
研究概要

本研究の目的は、これまでに確立した架橋炭素配位子を有する2核Ruイミド錯体の合成法を基盤として、架橋スズ配位子を有する2核Ru錯体(Ru2Sn錯体)を合成するとともに、それらの反応性を対応するRu2C錯体の反応性と比較しつつ精査することにより、支持配位子としての架橋スズ配位子の特長を解明することである。前年度は、その第一段階として、2核Ruスタンニレンおよびスタンニリン錯体の一般的な合成方法を確立するとともに、興味ある構造的特徴を明らかにすることに成功した。本年度は架橋スズ原子上の置換基の反応性、Ru2Sn錯体のアリルベンゼンの異性化反応に対する触媒活性、および分子間での可逆的なSn-Sn結合形成反応など、Ru2Sn錯体の反応性に関して多くの有用な知見を得るに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目的として次の3点を掲げた:(1)Ru2Sn錯体を用いた触媒反応の開発および反応機構の解明、(2)架橋スタンニリンおよびスタニド配位子を有する2核Ru錯体の合成と反応性の解明、(3)遷移金属スズ合金触媒に関連した反応性の解明。(1)に関しては架橋スタンニレン配位子を有する2核Ruイミド錯体がアリルベンゼンのβメチルスチレンへのE選択的異性化反応に高い触媒活性を示すことを見出した。スタンニレン配位子のSn上の置換基効果の検討により、Sn上のカルボン酸イオンをC-H結合活性化部位とする反応機構が推定された。(2)については目的とするスタンニリンおよびスタニド錯体の合成に成功し、RuからSnへのσおよびπ逆供与にもとづく新規な結合様式の解明に成功した。さらにスタンニリンの分子間Sn-Sn結合形成および水素分子の活性化という新規な反応性も見出した。(3)に関しては、RuSn合金について報告されているα,β不飽和ケトンの水素化反応が2核Ruスタンニリン錯体を触媒として進行することを見出した。以上のようにすべての目標項目について順調な進展が見られた。

今後の研究の推進方策

今後は以下の3点を目的として研究に取り組む:(1)Ru2Sn錯体を触媒とするアリルベンゼンの異性化反応の詳細な機構解明、(2)Ru2Sn錯体を触媒としてエストラゴール、オイゲノール、サフロールなどの工業的に重要なアリルベンゼン誘導体の異性化反応を行う。(3)2核Ruスタンニリン錯体による水素分子の活性化およびα,β不飽和ケトンの触媒的水素化反応についてのより詳細な知見の獲得。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額として54,309円が生じた。この金額で補充可能な消耗品はわずかであり、年度内に早急に支出する必要のある案件はなかった。次年度分の使用額として持ち越す方が、より研究推進の目的に適った使用が可能になると判断された。
次年度の研究で必要となる試薬等の消耗品の購入に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 架橋プルンビレン配位子を有する二核ルテニウム錯体の合成と反応性2014

    • 著者名/発表者名
      山野高広・竹本真・松坂裕之
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20140327-20140327
  • [学会発表] 二核ルテニウムスタニリン錯体の合成とSn-Sn結合形成反応2013

    • 著者名/発表者名
      山野高広・吉井要・竹本真・松坂裕之
    • 学会等名
      錯体化学会第63回討論会
    • 発表場所
      琉球大学
    • 年月日
      20131103-20131103
  • [学会発表] 2核Ruイミド・スタニレン錯体の合成と反応性および触媒作用2013

    • 著者名/発表者名
      山野高広・吉井要・山崎祐亮・西森里絵・竹本真・松坂裕之
    • 学会等名
      第60回有機金属化学討論会
    • 発表場所
      学習院大学
    • 年月日
      20130912-20130912

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公開日: 2015-05-28  

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