クロマトグラフィーとモーメント理論を組合せ、分子間相互作用の平衡情報だけではなく、速度情報(結合速度定数と解離速度定数)をも測定できる解析法を開発した。分子間の相互作用速度がラングミュア型の速度式で表現される場合について、クロマト実験データから会合・解離速度定数を導出するためのモーメント式を開発した。 具体的実験系として光学異性体分離系を取り上げ、本解析法を適用して会合・解離速度定数を測定した。また、それらの温度依存性に基づき、分子間相互作用の熱力学的特性を解析した。クロマトグラフィーが物質分離や分子間相互作用の平衡論的解析だけではなく、その速度論的研究へも利用できることを実証した。
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