1.植物体表面における生理的物質の輸送のビーム偏向・蛍光・吸光度測定系のさらなる改良 平成24,25年度で作製したビーム偏向・蛍光・吸光度測定系は実験している過程で、蛍光強度は温度に影響され、また、水溶液中の溶存酸素の絶対濃度を測定できない問題を明らかにした。さらに、レーザー光源が極端に不安定であることも分かった。そこで、新たな半導体レーザー(波長405nm)を導入し、また、市販の溶存酸素センサー(含温度センサー)も導入することにより、蛍光消光法による水溶液中の溶存酸素の絶対濃度の測定ができ、また偏向信号・吸光度信号も同時に測定できるようになった。 2.本測定系を水草アナカリス近傍の光照射下での光合成過程、暗室状態の呼吸過程での溶存酸素の濃度変化に起因する蛍光強度変化、偏向信号の変化、吸光度の変化を測定したところ、明らかに水草と離れたバルク溶液での変化と異なることを明らかにした。従って、本法は植物近傍の局所的な物質の出入り過程のモニタリングに利用できると言える。 3.本測定系を稲の発芽過程の計測に応用したところ、稲の近傍の溶存酸素が発芽とともに減少していくことを明らかにした。
|