本研究はビーム偏向法をO2の蛍光消光法、さらに吸光度法とを結合することにより、植物体表面の物質輸送の新たなリアルタイム計測法の開発を研究した。具体的には、植物体表面近傍にレーザープローブ光を通過し、その偏向信号を測定することにより、生理的物質輸送の動的過程をモニタリングし、また、ルテニウム錯体のO2による蛍光消光変化を測定することにより、溶存酸素の時間変化をモニタリングし、さらに、吸光度変化を測定することにより、レーザー光波長で光吸収を示す物質のモニタリングを行った。アナカリスなどの水生植物を実試料として用い、光合成過程と呼吸過程の違いを明らかにし、本法の有用性を実証した。
|