研究課題/領域番号 |
24550110
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
端 健二郎 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 主任研究員 (00321795)
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キーワード | 磁気共鳴 / 分析化学 |
研究概要 |
25Tを超える定常強磁場でのNMR測定によって、磁場誘起相転移などの物性研究から、触媒などの機能性材料の構造解析まで、従来の磁場では解明が困難であった事象について、微視的な観点から新たな情報を提供するためのNMR装置開発を行っている。これまでに(独)物質・材料研究機構が所有するハイブリッド磁石を用いて国内最高、世界第2位の定常磁場28Tでの高分解能NMR測定を行い、分解能3ppm程度のNMRスペクトルを得るまでに至っている。しかし、ハイブリッド磁石の磁場均一度はNMR測定には十分ではなく、試料サイズの制限から適用可能な試料は限られてきた。本研究では、磁場均一度の微調整用のコイルである室温シムの開発を行うことによって磁場の均一度を向上させ、25T以上の磁場において実用的な1ppm程度の分解能をもつ高分解能NMRスペクトルを得ることを目的とする。 ハイブリッド磁石は大型共用設備であるためマシンタイムは限られており、実証実験を何度も繰り返すことは困難である。また震災の影響により電力利用の制約から大電力を消費するハイブリッド磁石の長時間運転は困難であった。 そこで、本年度は昨年度に開発したZ2軸に特化した高出力室温シムコイルと既存の磁場揺らぎ補正機を組み合わせた状態で模擬信号を用いて補正機の検出感度やフィードバック定数の最適化を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
室温シムと磁場揺らぎ補正機を組み合わせた状態での補正機の検出感度やフィードバック定数の最適化を模擬信号を使いながら進めることは当初計画通り実施できたが、震災の影響により大電力を消費するハイブリッド磁石の長時間運転が困難であったことから、本年度に予定していたZ2軸に特化した室温シムの実証テストを実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
電力事情の回復を前提として、Z2成分に特化した室温シムを用いて25T以上の磁場での標準試料KBrのNMR測定を行いZ2成分の室温シムの実証テストを実施する。またZ1,X,Y成分の室温シムの開発に着手する。
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次年度の研究費の使用計画 |
震災による電力事情から実証実験を実施することが困難であったため、実施した場合に発生したであろう機器の改良用部品等の費用が当該年度で発生しなかったため。 電力事情が落ち着いてきたことから次年度は実証実験が実施できるものと考えられるため、次年度使用額は使用時期はやや計画より遅れるものの計画内容に沿って使用する予定である。
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