研究課題/領域番号 |
24550110
|
研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
端 健二郎 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (00321795)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 磁気共鳴 / 分析化学 |
研究実績の概要 |
25Tを超える定常強磁場でのNMR測定によって、磁場誘起相転移などの物性研究から、触媒などの機能性材料の構造解析まで、従来の磁場では解明が困難であった事象について、微視的な観点から新たな情報を提供するためのNMR装置開発を行っている。これまでに(独)物質・材料研究機構が所有するハイブリッド磁石を用いて国内最高、世界第2位の定常磁場28Tでの高分解能NMR測定を行い、分解能3ppm程度のNMRスペクトルを得るまでに至っている。しかし、ハイブリッド磁石の磁場均一度はNMR測定には十分ではなく、試料サイズの制限から適用可能な試料は限られてきた。本研究では、磁場均一度の微調整用のコイルである室温シムの開発を行うことによって磁場の均一度を向上させ、25T以上の磁場において実用的な1ppm程度の分解能をもつ高分解能NMRスペクトルを得ることを目的とする。 ハイブリッド磁石は大型共用設備ありマシンタイムが限られる上に、大電力を消費するため東日本大震災以降の電力利用の制約などから本年度は十分なマシンタイムを得ることが困難であった。そのため本年度は磁場の空間的な分布をルジャンドル関数展開により定量的に評価し、シムの設計に反映するための手法の開発を行なった。そして実証実験は行えなかったがプロトタイプのシムの開発を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災の影響により大電力を消費するハイブリッド磁石の長時間運転が困難であったことから、本年度に予定していた室温シムの実証テストを実施することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
電力事情やハイブリッド磁石の運転に関する状況の変化に対応しながら、室温シムの実証実験を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
電力事情から実証実験を実施することが困難であったため、実施した場合に発生したであろう機器の改良用部品等の費用が当該年度で発生しなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は実証実験が実施できるものと考えられるため、次年度使用額は使用時期はやや計画より遅れるものの計画内容に沿って使用する予定である。
|