従来の磁場では解明が困難であった事象について、新たな情報を提供するための強磁場NMR装置開発を行ってきた。ハイブリッド磁石を用いた28Tにおける標準試料のNMR測定では、磁場揺らぎ補正機と室温シムを併用することによって先鋭化したNMRスペクトルを得ることに成功した。また、東日本大震災以降の電力利用制限などのため、高温超伝導体を利用したNMR磁石も対象に開発を行った。その結果、超伝導磁石としては世界最高磁場の1020MHz(24T)NMRシステムの開発に成功し、24Tにおいて1ppb以下の分解能を持つNMRスペクトルを得ることに成功した。
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