本研究課題では、非対称なピラジノ縮環ジヒドロピレン(PZ-DHP)を利用した円偏光発光材料の開発を目的とし、PZ-DHPを基に、銅錯体型リン光発光分子、熱活性化蛍光分子および、関連する発光分子の合成と光異性化挙動、光学分割、キラリティなどの評価を行った。その結果、この系列の分子類が迅速な光異性化挙動を示し、容易にラセミ化せずに安定な不斉構造を維持し、強い発光を示すことを明らかにした。具体的には、PZ-DHP類の合成、光応答性、光応答性CDスペクトルなどを2報の学術論文に発表し、7件の国内外の学会発表にて報告した。今後の課題は、PZ-DHP類の円偏光発光の高輝度化、薄膜化、素子化の検討である。
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