研究成果の概要 |
本研究では、新たな電子・光機能材料の創製を目的として、π電子系をスペーサー、遷移金属のd電子系をアンカーとする新たな鎖状π電子系分子の構築を行ってきた。例えば、両末端にビピリジン(bpy)ユニットを有するポリエン(Ar-(CH=CH)n-Ar)(n=1,3,4)のRu錯体の合成を行った。これらのレドックス挙動を調べたところ、Ru(II)⇔(III)に由来する酸化還元波は観測されたものの、Ru間の電子相互作用は極めて小さいことがわかった。また、環状オレフィンであるオクタフルオロシクロペンテン―フェロセン分子系では、2核および3核錯体ともに鉄間に電子的相互作用が見られた。
|