半導体デバイス作製に必要不可欠な微細加工技術として、次世代にはより高解像度、省エネルキー、安価となる新しい技術の確立が求められている。本研究はポリマーの自己組織化構造を微細加工に用いるボトムアッフ型微細加工技術を対象に、超微細パターンの創成に向けた新規材料の開発と自己組織化に関する基礎的技術の確立を目的とした基盤研究である。 本研究者が新規に材料開発を行ったかご形シルセスキオキサン(POSS)含有高分子ブロック共重合体(PMAPOSS含有ブロック共重合体)のミクロ相分離構造の最小周期長や相互作用パラメータなどに関する未だ明らかにされていない基礎研究を完成させ、さらにPMAPOSS含有ブロック共重合体の階層構造を利用した方形状超微細ナノパターンの創成に向けた研究基盤を確立することを目的としている。 最終年度となる26年度は、ブロック共重合体の階層構造を利用した方形状超微細ナノパターンの創成について、前年度までに新規に合成したブロック共重合体PMAPOSS-b-PMAC66MSi3を用い、熱処理による自己組織化階層構造形成の最適化を試みた。その結果を基に、シリコンウェハ上に薄膜を作製し、薄膜中に形成された線状ナノ構造について解析した。酸素プラズマによるエッチングを行ったところ、部分的に欠陥も含まれるが、目的とする方形状の凹凸構造の形成が見受けられた。
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