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2013 年度 実施状況報告書

開環重合を利用した高分子液晶の構造制御と複合体形成能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24550137
研究機関大分大学

研究代表者

氏家 誠司  大分大学, 工学部, 教授 (40185004)

キーワード反応性高分子液晶 / 開環反応 / オキサゾリン / エチレンイミン / 液晶架橋体 / 高分子金属錯体液晶
研究概要

本研究では,オキサゾリン環,エチレンイミン環およびエポキシ環などの開環反応性分子を構造単位に含むモノマー分子を合成し,それらを用いて多様な高分子の合成方法を確立するとともに,開環反応性を有する反応性高分子を開発し,それらの特性を調べることを目的に実験を行った.
ビニル基(メタクリレート基など)とオキサゾリン環を分子の両末端に有するメソゲンモノマーとビニル基およびカルボキシル基を分子両末端に有するメソゲンモノマーを合成した.これら2種類のメソゲンモノマーを均一に混合し,液体温度にした後,冷却するとネマチック液晶配向を有する架橋体を得た.この実験によって,オキサゾリン環とカルボキシル基の反応が,液体温度および液晶温度において容易に起きること,液晶架橋化構造を形成するのに有効であることを確認した.複数のメソゲンモノマーの末端にオキサゾリン環を導入した化合物を合成し,液晶形成およびオキサゾリン環の反応性について調べた.
オキサゾリン環およびエチレンイミン環を開環反応して得られる化合物は,アミド基およびアミノ基をそれぞれ与えることから,金属イオンとの強い相互作用が考えられる.本研究では,オキサゾリン誘導体やエチレンイミン誘導体の金属イオンとの相互作用について検討を行うため,アミノ基およびアミド骨格を有するポリウレタンと金属イオンとの複合形成について調べ,金属錯体がアミノ基とアミド骨格との複合的作用が金属錯体形成に有用であることを明らかにした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

高分子合成および基礎物性評価に関しては予定通りに進展しており,複合体の構築なども検討し,実験が進んでいる.しかし,温度可変X線回折装置の故障のため,測定には若干の遅れが生じている.合成の進展があることから,測定の遅れは軽微であり,研究全般では何ら問題ない.

今後の研究の推進方策

今後次の点について実験を進める.また,成果について知財の確保を行った後に学会発表および論文発表を行う.
1.液晶配向場でのカルボキシル基とオキサゾリン環の反応性と配向制御について検討する.
2.オキサゾリン環を有するメソゲンモノマーから得られる液晶配向体が配向秩序の低いネマチック液晶であったので,アルキル鎖長を長くするなど分子構造を調整して,液晶配向体の秩序向上を目指し,スメクチック相(スメクチックA相など)を形成させる.作製した配向体について構造解析を行う.
3.現在まで,確立している合成方法を利用して,熱伝導率測定に用いるフィルムを作製し,熱伝導性を評価する.また,熱伝導性無機微粒子を混合し,熱伝導性を評価する.

次年度の研究費の使用計画

昨年度,主要測定装置の一つである温度可変X線回折測定装置が故障し,修理に時間かかった.そのため,熱伝導測定をするための材料の絞り込みが少し遅れ,測定に必要な材料合成が今年度に多少ずれ込んだため,原料購入のための費用の一部が残った.
熱伝導測定のための材料合成および新規材料合成のための原料購入に充てる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 水素結合性主鎖型高分子液晶の配向挙動

    • 著者名/発表者名
      氏家誠司,嶋田源一郎,那谷雅則
    • 学会等名
      2013年日本液晶学会討論会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス
  • [図書] ポリウレタンの原料配合,改質事例集(予定)2014

    • 著者名/発表者名
      氏家誠司,嶋田源一郎
    • 総ページ数
      600
    • 出版者
      技術情報協会
  • [産業財産権] 液晶性を有する高分子金属錯体及び液晶性を有する高分子金属錯体の製造方法2013

    • 発明者名
      氏家誠司,那谷雅則
    • 権利者名
      大分大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2013-255700
    • 出願年月日
      2013-12-11

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公開日: 2015-05-28  

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