研究課題
基盤研究(C)
本研究の長期的な目標は、未来の三次元位置選択的光機能材料およびそれに関連する非線形光学材料、エレクトロフォトニクス材料の開発である。発光性高効率二光子吸収色素を目指した環状パイ共役分子の合成と光特性の解明を目指している。全体の大きな流れとして、まず既知法により高発光色素のハロゲン体を合成し、Pd触媒によるカップリング反応によりTMS-アセチレンを導入し、TBAFによって脱保護することで各原料を合成し、環状分子を合成する。24年度はフルオレンを用いた大環状巨大パイ共役分子15merの合成と物性評価を行った。160度の結合角を可能とするフルオレンのジヨード体を既知法によって合成した。合成したジヨード体をPd触媒を用いたカップリング反応でTMS-アセチレンを導入し、TBAFによって脱保護し単量体を得た。酸化剤を用いて単量体同士をホモカップリングさせ2量体から5量体(2から5)およびポリマーの混合物を得た。この混合物をGPCによって分離し3量体を単離した。分離後、3量体を再び酸化剤を用いて反応させ環状型パイ共役ナノ構造体15merを合成した。合成を簡便化するためこの化合物はビスエチニレンを用いた。精製はGPCにより行った。合成した構造体2 – 5および15merの可視紫外吸収スペクトル蛍光スペクトルを測定して光学特性を評価した。蛍光量子収率は20%程度であり発光材料として有望であることがわかった。大量合成し、NMRデータの取得と二光子吸収断面積の測定が今後の課題である。
2: おおむね順調に進展している
当初予定ではフルオレンを用いた大環状巨大パイ共役分子15merの合成と物性評価であるが、目的化合物の合成に成功し、可視紫外吸収スペクトル蛍光スペクトルを測定して光学特性を評価しており、概ね順調に進展している。
研究実施計画通り、カルバゾールを用いた環状パイ共役4量体の合成と物性評価を行う。
該当なし
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