「膜溶液滴下法」により作成した水面上分子膜の形態について、表面張力測定および光学顕微鏡により調査するとともに、この分子膜への麻酔薬作用機構を水晶振動子法により調査した。その結果、滴下法により、伸縮性に富んだ生体膜類似の膨潤な分子膜が水面上に形成されること、またこの分子膜への麻酔薬作用(吸着)により、膜/水界面の粘性が変化(増加)することが分かった。麻酔薬作用の経時観測において、粘性変化が吸着よりも遅れて発生する、特異濃度の存在を見出した。これから、麻酔薬吸着による界面粘性変化が麻酔発現と関連のあること、またその発現には発現時間の考察が重要であることが示唆された。
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