現在のエレクトロニクスを支える固体電子素子は、今世紀中には、分子技術による有機エレクトロニクス素子にとって代わる。このパラダイムシフトに必要な新技術は、分子レベルのナノ設計とナノ制御で、メゾスコピック領域を縦貫し、マクロの「動き」を自律的に制御する手法である。そのための電気化学機序の開発と解析のための研究を推進し、次の成果を得た: 1) 水中の電極に1 V以下の電位をかけるだけで、油滴の動きの制御に成功、2) 水素発生が起こり始めると、油滴が極めて強く金表面からはじかれることを発見、 3) 電極上で点から広がって全面を急速に掃き尽すような反応における分子配列変化を実像化することに成功。
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